不整脈
不整脈
不整脈とは
心臓は一日に約10万回一定のリズムで収縮・拡張を繰り返しています。
「不整脈」とは、この心臓の規則的な興奮のリズムが不規則に(早く、あるいは遅く)なったり、興奮の伝わり方に異常が生じたためのリズムの乱れを直します。
日常的に不整脈が出る事は少なくありませんが、ほとんどの場合、特に心配したり、病気と考えたりする必要はありません。
診断は必ず心電図
不整脈の有無、種類などを診断するには、心電図検査が必須です。
しかし、一回の心電図記録は約30秒位で肝心の不整脈が記録されない場合がしばしばあります。
その場合は、小型の携帯型心電計(ホルター心電図)を外来で一日装着することで、日常生活の中で出現する不整脈の状況を評価できます。
また、背景にある器質的心疾患を発見するため血液検査胸部レントゲン、心エコー(超音波検査)運動負荷心電図検査をすることもあります。
こんな症状に注意
自覚症状がな くても突然死に結びつく可能性はないわけではありません。
自分の健康の事を考え出来るだけ早く検査を受けて自分の体調を把握するのも大事です。
不整脈が出たとき
脈の乱れを感じたら、脈をとりましょう。
日頃から脈の取り方を練習しておくとよいでしょう。
不整脈がどのように始まりどのように止まったか、あるいは1分間の脈拍数がいくつであったかなどを記録しておいて下さい。
また、精神的ストレスや過労、飲酒、喫煙、コーヒーの摂取など、不整脈が出やすくするような出来事がなかったか確認することが大切です。
脈の乱れがいつもと違っていたり、動悸やめまいなどの症状が強かったら、我慢しないですぐに相談してください。
不整脈には次のようなものがあります
洞性頻脈
頻脈性不整脈のなかで、「洞性頻脈」はほとんどの場合、心臓以外のからだの調子を反映した機能的なもので、治療する必要はありません。運動や精神的緊張、アルコール、発熱などによって健康な人にも見られます。ただ、ときに心不全や甲状腺機能亢進症に伴って起きる場合があります。
期外収縮
「期外収縮」の70~80%は無症状で、症状が出る場合は、脈が一瞬つまずく感じ、不規則な動悸やめまい、胸部の不快感を感じることがあります。自覚症状があっても心臓に病気がない人の期外収縮はとくに治療の必要はありません。
発作性上室性頻拍
心臓の電気信号が複数の経路を伝わってグルグル回りをしている状態です。突然速い鼓動が始まり突然終わるのが特徴です。めまいや失神を起こすことがありますが、重症の心臓病などがなければ致死的とはなりません。カテーテルアブレーションという心筋の一部を焼き切る手術によって、90%以上が根治するといわれています。
心室頻拍・心室細動
頻脈性不整脈のなかで怖いのは、「心室頻拍」や「心室細動」です。これらはいずれも心室という、血液を送り出すポンプの役割をしている部屋が痙攣を起こすようなもので、そのため血液の循環がうまくできなくなります。心室頻拍では血圧が下がる程度のこともありますが、ひどくなると失神を起こし、また心室細動になると心停止の状態になり、それを数分放置すれば死に至ります。これらは致死性不整脈とも呼ばれ、心臓突然死の引き金として重要です。その危険性を有する方は、それを避けるために、植込み型除細動器(ICD)を体に植込む治療を行うことがあります。
心房細動・心房粗動
「心房細動」は電気信号が心房全体からバラバラに発生している状態で、加齢ととも起こりやすくなります。健康な人でも飲酒後の翌朝やストレスによって起こることがあります。強い動悸や息切れの原因となるだけでなく、心房細動によって左心房の中に血栓という血のかたまりができやすくなり、それが血液にのって脳や全身の血管につまると、脳梗塞など血栓塞栓症の原因にもなりますので、医療機関の受診が必要です。
「心房粗動」は心房内を電気が施回する頻脈性の不整脈です。カテーテルアブレーションという心筋の一部を焼き切る手術によって、90%以上が根治するといわれています。