
虚血性心疾患の一次予防
虚血性心疾患の一次予防
一次予防とは虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞)にかからないようにすることです。
二次予防とは残念なことにすでに虚血性心疾患に罹患した方の再発予防のことです。
ここでは一次予防として、どのような生活を心がければよいか、基本的でかつ大切な予防方法についての指針を示させていただきます。
虚血性心疾患とは
心臓は、全身へ血液を送り出すポンプの働きをしています。
この心臓の筋肉へ酸素や栄養を供給している血管を冠動脈といいます。
冠動脈が動脈硬化により狭くなったり詰まったりすると、心臓は酸素不足に陥り「虚血」の状態になります。
「狭心症」は冠動脈が動脈硬化や血管の痙攣で狭くなって血液の流れが悪くなり、十分に酸素供給がされなくなり、胸に圧迫感や痛みのある発作が起きるものです。血栓(固まった血液)冠動脈が完全に閉塞してしまうと、酸素の送られなくなった心筋は機能しなくなり、激しい胸の痛みが長時間持続する「心筋梗塞」を起こします。時間の経過とともに詰まった先の心筋は完全に壊死に陥ります。できるだけ早く冠動脈を再開通させ心筋を助けることが心臓の機能を保つ上で重要です。
近年、食生活の変化などにより、わが国においても虚血性心疾患の増加が指摘されています。急性心筋梗塞の発症率は、1年間で人口1000人当たり男性1.6 女性0.7であり、死亡率は1年間で人口10万人当たり男性46.6 女性42.3であります。
「無症候性心筋虚血」も注意が必要な病態で、これは冠動脈に高度な狭窄があるにもかかわらず、全く自覚症状のない状態です。糖尿病患者や高齢者にみられます。
心筋梗塞を起こす人の6割は何の前駆症状もありません。その理由のひとつに心筋梗塞になる直前の冠動脈の狭窄は軽い場合が多いことがあげられます。これは脂質異常症(高脂血症)などが原因で冠動脈の血管壁にできた粥腫・プラークの被膜が突然破裂すると血栓が形成され一気に完全閉塞をおこすのです。
虚血性心疾患の危険因子
心臓病の3大危険因子は「高血圧」、「脂質異常症」、「喫煙」です。
虚血性心疾患を発症する確率は、健康人に比較し、高血圧は3倍、脂質異常症は4倍、喫煙は2倍です。もし、3つが重なると16倍にもなります。(米国フラミンガム研究)
血圧コントロールは重要で、日本高血圧学会では以下の基準を設定しています。
高血圧 140/90mmHg以上
正常血圧130/85mmHg未満
至適血圧120/80mmHg未満
虚血性心疾患にならないためには
適度の運動と脂質異常症、耐糖能異常、肥満などの代謝性疾患とストレスの除去に加え、高血圧の管理と禁煙が課題となります。